休みの国、というグループがあり1969年に発売された「追放の歌」という、45年近く経った今もファンの方々に支持される名曲があります。
この年(昭和44年)のヒット曲をみますと、とある情報サイトでは、「1位夜明けのスキャット、由紀さおりさん」「2位港町ブルース、森進一さん」「3位ブルー・ライト・ヨコハマ」となっておりましたので、独断で隠れた名曲として取り上げました。
休みの国とは?
1969年から活動している高橋照幸さん(2016年逝去)を中心としたグループで、ジャックス(早川義男夫さんたちのバンド)のベーシスト谷野ひとしさんとの交流から、音楽活動をスタートさせたそうです。
「休みの国」というグループ名も「そんな国があったらいいなぁ」と思うぐらい、良い名前だと思います。
休みの国タワーレコード
休みの国アマゾン
追放の歌とは?
この方はこの貴重なライヴ映像ほか、休みの国のものもいろいろアップされており、僕も最初はこの方のこのユーチューブで本家本元「休みの国、高橋さんの追放の歌」を知りました。
歌詞とリズム
なんかカラダがゆっくり動く・・みたいな感じがありましたら、この曲独特の不思議な心地よさが感じられるのでは?と思います。
ドラムやパーカッションなど打楽器が目立つことなく、ギターのアルペジオとうねった感じのメロディーラインに言葉がはまっていく・・・感じが好きなんです。
この心地よいリズムの中「からの水筒もこんなに思いと思うのに」「(昨日は俺も一緒に歌ってた)追放の歌」「開けてしまった缶詰を又眺め」とか入ってくる歌詞が「いったいこれって何のこと歌っているのかな?」に始まって「学生運動が終わって就職する人の事か?」とか「それにしても、からの水筒が重い、ってやるせない感じだな」とか「開けてしまった缶詰を、又、眺めているのか、この人は・・・」とか、カラダが揺れながら言葉が入ってくる・・・
そんな楽しみ方なんです、この曲。他にはないですね。こんな感じで気持ちよく、いろいろ想像させてもらえる曲は。
どこでこの曲を知ったのか?
六角精児さんの2022年発売されてたCDと、京都拾得(じっとく)さんで今年2023年3月15日に観たオクノ修さんのライブです。
六角精児さん「人は人を救えない」
このアルバムは70年代の日本の音楽のカバーで、全て「隠れた名曲」と言ってよいぐらいのカバーで「人は人を救えない」って、タイトルも好きで、昨年一番聴いたアルバムです。
僕はリズムアンドブルースやロックンロールなどダンスミュージックが好きで55歳くらいまで来ましたが、六角精児バンドさんのおかげて、カントリーやフォークの「踊れて粋な歌詞」の曲を知るようになりました。
その中に「追放の歌」は入っています。六角さんの歌い方、カバーも好きです。
六角さんのラジオで、最近記事を書いた「なぎら健壱さんのガソリンとマッチ」も知りました。
10代からずっとローリングストーンズがいろんな音楽を教えてくれましたが、ここ2年は、六角精児さんが紹介してくれる音楽にハマる事が多く、とても感謝しています。
又「人は人を救えない」っていうタイトルに込めた想いを六角さんが説明していましたが、僕は独断でこうじゃいかな?と思っています。
追放の歌は隠れた名曲です
自分で書いていて支離滅裂で恥ずかしくなりますが、それぐらい、このアルバムは聴くたびに、いろいろとパターンを変えて思うこともあります。
そして、追放の歌。
この曲も、この歌の中の人のやるせない思いもいくつかあって、その中に「人は人を救えない」って思いもあるのかぁ、と。
ですから、追放の歌のこの歌の中の人は、自分も他人も「許す」こともあったりして、又、やっていくんだろうなぁ(生きて行く、となると、大袈裟な感じがしますので、やっていく、としました)、と。
それで、休みの国へ行けたら良いかな、と。
という事で、純米酒大治郎「ぬる燗」で二合ほど飲んで、風呂場で歌う「追放の歌」は僕にとっては隠れていない名曲になりました。
そして、酔っぱらい過ぎて、大声で歌う事で、妻に家から追放されないようにしないといけない、と思っています。
オクノ修さんのライヴ
オクノ修さんは、高田渡さんとかと同じ時代からやられている京都在住(三条河原町の有名な喫茶店「六曜社」さんのマスターです)の方で、この方も唯一無二、圧倒的なオリジナリティ、最近とても好きになった方です(こちらも方も、六角精児さんのラジオでかけられた曲から知りました)。
先日ライブを観ました。拾得さん、とてもいい音で聞かせてくれる箱&音響技術さんですね、それもありますが、オクノさん、凄い、エラいものを目撃しました、一生忘れないライブになりました。
この時、休みの国の曲を2曲やられました。
「第五氷河期」とこの「休みの歌」です。
どちらも「やり忘れちゃいけない曲をやります」とこの日のライブでやった曲を全部そう言ってましたが、その中の2曲です。
そしてオクノさんは「休みの国」を歌う前にこう言いました。
「・・・20代の頃、休みの国を観に行きました。今でも覚えてます。でも・・・あの頃も今も・・・この曲、俺の方が上手いかな(笑)。死んじゃってるから、何言ってもいいかもね(笑)」
観客がドッと沸いて、あのイントロが始まりました。
オクノ修さんよりも少し上になるのでしょうか?「高橋照幸」さんは。兄貴分みたいに親交があったかも知れませんね。
自分が大好きになった曲とそのミュージシャンに対する「リスペクト」が感じられて、ほのぼのしました。
そして本年70歳のオクノ修さんの「追放の歌」。
ほのぼのしてました、とても良かったです。
*歌詞や個人名などを無断で引用しています。せめてCDなどが購入できる外部リンクを掲載させていただいております。著作権者の方はご連絡いただきますとすみやかに対応させていただきます。よろしくお願いいたします。
ヒット曲で思う事
ヒット曲って、僕らの子供の時と違って、もうなくなったんでしょうか?
老若男女みんなが知っていて、鼻唄で歌える「名調子!」みたいな曲をヒット曲という、と僕は思っていますが、もう何年何十年と、無い、ような気がします。
事務所などプロダクションだのレーベルだのレコード会社など、大金はたいて宣伝、宣伝、宣伝、せんでん・・・して、マスメディアもそれにのっかて「売れている」ことにして売れる・・・っていうやり方、もういいですよね。
ミュージシャン側も「カタチにはまった」「それふう」「・・・なイメージ」みたいな人しか出てこない、メジャーデビューとはそういう意味になってしまったのかなぁ。
何年も歌い継がれていく歌を、隠れていても、隠れなくてもどっちでもいい、そんな名曲に出会えればななぁ、と思っています。